よくニュースなどでも取り上げられる「整備新幹線」は、昭和45年(1970)に公布された「全国新幹線鉄道整備法」に基づいて制定された、全18路線の新幹線基本計画線のうち、優先して建設する新幹線が「整備新幹線」です。
ちなみに、基本計画線は昭和47年までの間に追加されていって18路線になったもので、その中には東北新幹線(東京−新青森間)の他、九州新幹線や成田新幹線、中央新幹線、奥羽新幹線、四国新幹線などがあります。
このうち、東北新幹線に関しては、直ちに調査などを開始してルートが決定しましたが、当面の間はある程度の需要が見込める東京−盛岡間が建設されることになり、昭和46年に着工され、大宮−盛岡間が昭和57年に、上野−大宮間が昭和60年に開通、さらに東京−上野間が平成3年に開通しました。
盛岡以北に関しては、昭和47年に調査線となり、翌年には整備計画が決まりました。しかし、当時の国鉄の財政赤字が悪化、昭和62年には分割民営化により各JRとなり、なかなか整備新幹線の建設(着工)が進まない状態が長く続きました。
そこで、建設費を少なくして、早期に完成できるように、平成3年に「全国新幹線鉄道整備法」が改正され、「新幹線鉄道規格新線」と「新幹線鉄道直通線」が建設できるような付則がつけられました。いわゆる暫定整備です。
「新幹線鉄道規格新線」とは、路線は新幹線の規格で造るものの、敷かれるレールは在来線と同じ幅の狭軌(新幹線は少し幅の広い広軌=標準軌)で、走る車両も在来線列車となり、よく「スーパー特急方式」と言われるものです。
「新幹線鉄道直通線」は、在来線をそのまま標準軌に変え、新幹線電車が在来線に直通できるように踏切の削減などの改造するもので、「ミニ新幹線方式」のことです。
それに伴い、従来の通常の新幹線路線に新幹線電車が走るものが「フル規格」と呼ばれるようになりました。
盛岡以北にもこの暫定整備計画が適用され、盛岡−沼宮内(現・いわて沼宮内)間は「ミニ新幹線方式」で、沼宮内(同)−八戸間は「フル規格」で、八戸−青森間を「ミニ新幹線方式」で建設する計画となり、平成3年8月に決定、同時に「フル規格」である沼宮内−八戸間が着工されました。
盛岡−沼宮内間や八戸−青森間が「ミニ新幹線」となったのは、在来線の軌道が比較的規格が良いからで、沼宮内−八戸間はそれに比べるとカーブが多いなど規格が低いため「フル規格」になったとされています。
しかし、沿線自治体などは全線の「フル規格」化を要望しました。青森県は、『青森駅までなら「ミニ」でも良いが、北海道新幹線までの直通による速達性を考えると「フル」が良い』という考えのもと、「フル規格」化を陳情するなどの活動を行いました。
一方、「フル規格」となると新幹線が通らないことになる、古牧温泉を抱える三沢市や、野辺地町などの現・東北本線沿線では、「ミニ新幹線」歓迎としていました。
そのような中、同じ整備新幹線であった北陸新幹線のうち、「ミニ新幹線」であった軽井沢−長野間が「フル規格」に変更され、長野オリンピックの開催予定を受けて平成3年に着工、高崎−長野間の先行開業区間(愛称:長野新幹線)は全てフル規格となりました。
そして、東北新幹線盛岡以北でも、平成7年には盛岡−沼宮内間が「フル規格」に昇格して着工され、盛岡−八戸間は全て「フル規格」の新幹線となり、さらに平成10年に八戸−新青森間も「フル規格」での着工がなされました。
そして、先行開業という形で、平成14年12月1日に、盛岡−八戸間の東北新幹線が開業することになったのです。